ゆきまろプロット

究極マイペースぼっちがおくる生きづらい日々との葛藤ブログ

尊敬する上司の教え。精一杯頑張ることの大切さを学んだ話

ども。寒波続きでここしばらく雨戸閉めっぱなしにしていたものぐさ野郎のゆきまろです。

雨戸あけて掃除もして、ちょっと晴れやかな気分なところで、前職の上司の話を書こうと思います。

今思い出しても前職に良い思い出はないのですが、上司の教えあってこそ今の私がいるので、過去の私のように仕事でくすぶって半泣き状態の人は必見です。

(前回の記事で書いていた、異動前の期間の「ある人」こそが、この話の上司のことです)

yukimaroplt.hatenablog.com

 

 

ちなみに今回、前置きの私の話がクソ長いので、重要なとこだけ詳しく!って人は「上司の教え」までとんでね。

 

前置き

私のダメ人間っぷり

私の前職は派遣の医療事務で、病院に着任して働いていたのですが、やればやるほどダメ人間といった具合で、着任して1ヶ月も経たないうちに仕事が嫌になっていました。

どんなふうにダメ人間だったかというと、

  • リストチェックなどの単純な事務作業すらうまくできず漏れだらけになる
  • 自分ではこの上なく精一杯やったはずなのにありえないほどミスだらけ
  • 普通に考えたらA部署担当の問い合わせを何故かB部署に聞きに行く
  • 上司と先輩に報連相したはずが、言ったことが伝わらず「ゆきまろさんが何言ってるか分かります?」と目の前で言われるのがデフォルト

などなど。社会人としてというより人として大丈夫か。当時そう思いました。

レセプトがどうのとか保険制度がどうのとか、そういう専門分野だけでも難しいのに「学生でもまともに務まりそうなことが自分にはできない」ということがつらすぎて、自己嫌悪と自信喪失につながりました。

今思えば、人生失敗してなんぼですし、新卒なんてちょっと前まで学生だったんだから、躓かない人のほうが稀なんですけどね。

それでも変にクソ真面目だったのと、学生時代はそれなりに優等生だったので、社会人になって突然劣等生になったことで余計に耐えがたかったのもあります。

 

仕事が勤まらなくなる

やることなすこと躓きまくる状態が半年ほど続いた頃、だんだんと職場で泣いているようになりました。

何かやらかしていないかどうか、見張られているような気がして、自分のデスクに座っているのも気が気じゃありませんでした。

それとミス続きでたまに挙動不審な私に、一部の人は風当たりが強く、周囲の目が怖くなっていました。

 

幸いなことに、同部署の上司(以降Aさん)と、医療事務全員をまとめる上司(以降Bさん)は、ミスに悩む私を見捨てず、いつでも相談して、と言ってくれる人でした。

上司に恵まれていたことと、親の教えもあって、最初のうちはどうにか「勤めを果たそう」という気持ちで頑張っていたのです。

でもさすがに毎日、毎週、毎月…と嫌なことが重なると、自分の無様さが頭を離れなくなっていって、休日も安らげませんでした。

どこか遠くへ行きたい。そればかり考えてました。

 

そうやって頑張る気持ちが徐々に薄れていって、この頃にはもう「全力でやってダメだったからこれ以上は無駄」「自分はダメだから」と心の中で諦めて仕事をしていました。

だから、気持ちが揺らぐとすぐネガティブになってついつい休みをとったり、上司が心配して「落ち着くまで休憩室にいていいから」と言ってくれるのに甘えて、休憩室で泣いたりしていたんですよ。

(そうすることでまた、落ちるとこまで落ちてしまったことを実感して余計に立ち直れなくなり、自暴自棄になって…という負のループなんですがね)

 

そうしてついには退職を決意して、面談で退職日と本社異動日が決まり、病院にいるのもあと数週間となったある時。

もうすぐ終礼という時間にまたミスが発覚して、報告書やら何やら済ませた後、私は耐えきれずに廊下へ飛び出しました。

この時間だと休憩室に行ったら終礼を終えた人が着替えにくる…と判断するだけの理性がまだあったので、人があまり来ない階段まで行ってそこで泣き出しました。

少しの間一人で泣いてたんですが、まだ仕事が残っているのに、Aさんが探しに来てくれたんですよね。申し訳なさ過ぎてまた涙が出てきて、Aさんは慰めてくれて。

そして終礼も過ぎた頃に、いよいよBさんが来たのです。

 

社会人になってはじめて叱られる

泣いている私と、横に座って慰めているAさんを一瞥して、Bさんは「いい加減にしなさい」とキッパリ一言。

それでもなお、涙がこぼれてくる私に「泣き止みなさい」「Aさんの時間と心遣いをどれだけ無駄にするの」とBさん。

そしてAさんに戻るように言って、私には一緒に面談室に来るよう言いました。その厳格な声と表情を見て「ああ…終わったな」と目の前が真っ暗になり、大人しくついて行く私。ドナドナですね…。

 

(状況がもはや恐ろしすぎて、お豆腐メンタルで泣かずにいられるか…って感じですが、この時にはもう絶望感のほうが勝って虚無顔になってた気がします)

 

悲劇の主人公に浸っていることに気付いた

面談に入って座るなり、Bさんが落ち着いた声で言いました。

 

「あのね。Aさんがどれだけ忙しいか分かる?自分の仕事だけじゃなく、あなたがいない間の仕事をAさんがこなしているの。部署をまとめるチーフでもあるからその仕事もある。それと平行してあなたにも時間を割いているの」

「後輩が困っているのを見過ごせない人だからそうしてくれているけど、いつまでも泣いてAさんの時間を奪ってしまっていることをまずは自覚しなさい」

 

ド直球の正論は、腐りきっていた私にグサッと刺さりました。

正直、目をそらして言い訳して考えないようにしていたことでした。

自分史上、他人にここまで迷惑をかけたのが初めてだったもので。

 

でも、ズバッと言ってくれたからこそ、私ははじめて自分の状況と向き合えました。もはやつらすぎて自分のことしか見えていなかったけど、上司だって、暇じゃないどころか忙しい。

ましてや私の部署は、たった3人しかいないのに専門的な処理を膨大な量こなす部署で、Aさんの作業量がダントツ多い。 

それなのに私は泣くわ休むわで、ただでさえ忙しいAさんを困らせて、情緒不安定になるたびに休憩室につれていってくれたり、仕事の合間をぬって様子を見に来たりしてくれるAさんに甘えていた。

心遣いを無下に、いつまでも立ち直れずに後ろを向いていたわけです。

 

「頑張っている私を分かって」

「こんなに苦しいんだということを知って」

「できないことをやらせないで」

「助けて」

 

私は自覚しないうちに、「悲劇の主人公・構ってちゃん」になっていたのです。

 

自覚した途端吐き気がして…はちょっと盛りすぎですが、自分にドン引きしまして。

なけなしのプライドを総動員して、どうにかでかかった嗚咽をひっこめました。

 

上司の信条を知る

 私が話を聞ける状態になったことを向こうも悟ったのか、少し柔らかい態度になって、Bさんが話し始めました。

曰く、Bさん自身、若い頃につらい思いをしたそうです。

この話の詳細は直接関係ないので省きますが、要約すると、上司が理不尽な人で、BさんもAさんもつらい思いをしながら働いていた、とのことでした。

それでもBさんは、私のように挫けなかった。

正確に言えば、全くへこたれなかったわけではありませんが、負けずに、理不尽な上司を見返す勢いで頑張り続けたそうです。

「なんで頑張ったと思う?」

そう前置きしてBさんが言ったのは、とても立派な理由でした。

 

「私みたいな思いをする人がいないように、上に立って守るために頑張ったんだよ」

 

恐らくもともと負けん気の強い人だったとも思うのですが、当時自分の力が足りず、困っているAさんを助けられなかったことから、そう強く思ったそうです。

そうして現にBさんは、総合チーフとして事務の一番上に立っている。

まさに有言実行の人でした。

 

このときの言葉だけだったら、「そんな漫画みたいな話が都合良くあるか」と疑ったと思うんですが(失礼だな)

Bさんはデスクが隣だったので、部下とのやりとりが日頃からよく聞こえたんですよね。

どうしても残業が多くなる部署があったり、女社会な職場だからこそ起こるアレコレがあったりして、相談に来る人がけっこういたんです。

それに対して、超絶忙しいBさんはめちゃんこ丁寧に話を聞いてあげていて、身を粉にして改善を図ってたんですよ。色んな部署の応援に行ったりしてて、マジで忙しい人なのに。

そういうやりとりを半年以上横で聞いていたからこそ、そして自分自身ずっと見捨てられずに助けてもらっていたからこそ、その言葉がすんなり入ってきました。

 

上司の教え

自分の信条を明かしたBさんは、私の話に戻ってこう言いました。

 

「周りがなんと言おうと、うまくいかなくてつらかろうと、精一杯やりなさい」と。

 

ありふれた根性論に聞こえますが、Bさんは、とにかく頑張れば良いという意味で言ったわけではありません。

 

Bさん「ゆきまろさんは、すぐに退職じゃなくて、一旦本社に戻るんでしょう?」

わたし「はい」

Bさん「そこでも辞めるまでの間、仕事はするわけだよね」

わたし「はい…、○○の仕事と聞いています」

Bさん「そこでもうまくやれなかったとき、今みたいに投げ出さずにできる?」

 

ハッとしました。そこまで考えてなかった。

逃げればいいや、という安易な考えをしていたことに気付いた瞬間でした。

 

と同時に「できる気がしない」と確信しました。

だって、これだけ助けてもらえる環境にありながら「どうせ辞めるし私にはできない」と腐っていたんですから、異動してはじめましての人に囲まれて、助けを求められる人もなく同じ壁にぶち当たった時、越えていけるはずがない。

呆然とする私にBさんは言いました。

 

「ゆきまろさんには、自信をもって、次へ行ってほしいな」

 

色んな意味で、心が入れ替わった瞬間でした。

正直言って、社会に出たら上司や同僚なんて上辺だけの無慈悲で冷たい人間ばかりだと思っていたので…(本当に失礼だな)

Bさんの発言に、今度は感謝の涙がじわっとしてきたのですが、もうBさんはそれには何も言わず。

ただ「笑顔だよ笑顔。がんばってね」と言って、私もそれに「はい」と答えて、面談は終わりました。デスクに戻ったらAさんがまだ残っていて、改めて迷惑をかけたことへの謝罪と、明日からしっかりやりますと決意表明して、上司二人にお礼を言って帰りました。

 

翌日から最終日まで、宣言通り200%頑張り、ミスをしない日も増えました。

それでも結局、ノーミスではなかったし、なんなら最終日もやらかしたんですがw(オイ)

最後まで精一杯やりきった、ということが自信につながって、暗い気持ちではなかったです。

最後にBさんに「あなたなら大丈夫だよ」とお言葉を貰い、病院を後にしました。

 

今へつながる教訓

この後の私は、Bさんの言葉を忘れず頑張り、異動後の頑張る姿勢が評価されて、今の職場からお声がかかりました。

 医療事務から全く違う業種へ行ったので、スキルも知識もない状態です。

それでも、真面目に誠実に仕事に取り組むということが、何の武器も持っていなかった私を助けてくれました。

 

…とはいえ、これを書くために当時を思い出して、今ちょっと反省してもいます。

この春で退職する私ですが、今の職場に着任してからの自分や、退職が決まってからの自分を振り返って、本当に真摯に取り組めていたかなって。

異動してからは異動してからで、悩むことが別にあって。

特に退職を控えた今はなおのこと、

 

「理数とか簿記とかITとか本っ当に苦手…!」

「辞めるのにまだ新しい仕事がくるの?」

 

そういう甘えた怠惰な気持ちが、やっぱり出てくるんですよね…。

ああ、もういやだ、怠けたい…と踏み外しかけたところで、Bさんの言葉が頭をよぎるので、踏み外さずに済んではいるんですけど。

初心忘れるべからず、ですな…。

ちくしょー!がんばろ!(T^T)